店頭でのブックフェア、しかも独自のものとなるとこれが結構難しい。まずテーマを決め、選書作業し、POPやポスターを考えていく。本来は計画的に進めているはずなのだけれど、往々にして「あ、次のフェアまだ決めてなかった」「えっ。どうするよ。今のフェア延長しちゃう?」「いや、そりゃまずいなあ。急いで仕込もう」などという会話が交わされつつ慌しく進めていくことも少なくない。
今のは専用のフェアスペースを使うような少し大掛かりな話しだが、エンド台(本を差す「本棚」部分がない、平積み専用の什器)やワゴンなどでちょっとしたコーナーを作るのもある種のミニフェアといえる。こうしたスペースは結構小回りがきくので、担当者によっては時事問題に機敏に反応したコーナーを作ったり、ここぞとばかりに趣味に走ったり、売りたい本をドカッと積んでみたりと、各人の性格が出てなかなか面白い。
スペースの多寡はともかく、通常の棚の管理とはまた別にフェアを企画する醍醐味というのがある。なんといっても「フェア=祭り」であり、ある意味やりたいことをやりたいようにやってよい機会。選書は確かに一苦労だが――改めてこうした折に調べてみると、これはと思っていたものが絶版になってしまっていたりするのだ。
流通上致し方ないこととはいえ、本との出会いはまさに「一期一会」なのだと痛感する――、普段では組み合わせが難しい本同士をならべたり、飾り付けに工夫をするのは実に楽しい。POPを書く手もいつも以上に力がはいる。どうして普段の仕事以外のことというは楽しいのだろうと思うくらい。こうしたいい意味での「ノリ」がお客様にお伝えすることができれば、これに過ぎる喜びはない。
手前味噌ながら、紀伊國屋書店でも各店各売場であれこれとフェアをやっている。一部はホームページでもリストを公開している(URLは下記)。足をお運び頂けない方にも少しでも店頭での催しの様子をお届けできればと考えている。
http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d05/4_050001.htm#tokyo1
(紀伊國屋書店新宿本店 大籔宏一)
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