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書店員のオススメ読書日記

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Photo_198 影絵。

 子どもは夢に遊び、おとなは子どもにかえる。

 それは不思議な世界。

 驚きと喜びと、そして生命が満ち溢れている世界。誰しも子どもの頃に、一度は思い浮かべるであろう夢の世界をまるで引っ張り出したかのようだ。

 本書では、その影絵作品だけでなく、製作風景も一緒に楽しむことができる。この製作風景が実に興味深かった。

 みなさんは藤城清治の影絵作品が、たった一枚のカミソリから描き出されていることをご存知だろうか。ご本人いわくカミソリの刃が一番絵に思いを刻み込みやすいのだそうだ。

 ただひたすらに丹念に、一心に一葉一葉を刻んでゆく。その濃密な時間と思いは、やがて絵に生命の輝きと躍動をもたらし、見るものの心を震わす力となる。

 それは藤城清治が影絵に込める思いでもある。

 いつの時代においても人の心を動かしてやまない作品をつくること。その思いは濃密な時間の中で少しずつかたちになり、そして色鮮やかな光となって私たちに届くのである。

出版社:美術出版社
書名:藤城清治 光と影の奇蹟
著者:藤城清治
定価:2,940円(税込み)

(リブロ金沢店 乙丸唯)

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