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そこを訪れれば見つからない漫画はない…と言われる古漫画専門店「金魚屋古書店」。
店長代理の娘・菜月、彼女に惚れる“まんがばか”斯波―
さらに、金魚屋を訪れる様々な客や、漫画に想いを持つ様々な人たちが織り成す人間模様…。
メジャーな作品からマイナーな作品まで、実在の漫画を素材にした古書店物語。
(連載誌『IKKI』作品紹介より引用)
新刊4巻が出ました。
金魚屋古書店の地下にあるのは、大地下漫画倉庫(通称ダンジョン)。
奥に進むと携帯が圏外になるほど果てが見えない(!)広いその倉庫は噂を呼んで、毎日様々な“まんがばか”が集まってくる。
私はけっして“まんがばか”ではないんだな。ただの漫画好きなんだな。
と、この作品を読んでいると思い知らされる。
世の中、知らない漫画が多すぎる!
この作品でネタにされる漫画…・・・実はほとんど自分が読んだことのない本ばかり…。
それは絶版・入手不可の本だったり、往年の名作漫画だったりするのだが、初めて知った作品や、こんな漫画があるんだ!と驚くことも少なくない。
でも自分が知っている作品が取り上げられたり、ネタにされるとちょっと嬉しい。
欄外に「STUDY」という漫画の基礎知識と、巻末には作品のコラムが載っておりとても勉強になる。
ジュンク堂書店池袋本店は、地下一階が丸々コミックフロアだ。
働いていると、漫画を手に取って談笑されているお客様をよく見かける。
「知ってる!」
「あの場面が」
「登場人物の…が」
「最終回の…」
「こんなのもあるよ」
彼らの共通言語は、わからない事もあるが、みんなとても楽しそうだ。
漫画を語り合うとき、どうしてあんなに楽しくなるのだろうか。
それは一人一人がその漫画にまつわるエピソードを持っているからだと思う。
『金魚屋古書店』1巻に
「あの頃の嬉しかったことも辛かった事も全部いっぺんに思い出しちゃって…」
と漫画を読んで泣いてしまう女性の台詞があるが、この一言に尽きる。
幼い頃から身近にあった漫画に学んだり、泣いたり、共感したりした経験は多くの人にあるのではないか。
そしてこんなエピソードがつまったものが『金魚屋古書店』なのだ。
だから漫画好きにはどの話も(知らない作品でさえ)共感できるのだと思う。
漫画は他の本と違い、低俗なものとか勉学の妨げになるものといわれることがある。
しかし漫画には人の人生を変えたり道標になったり、結構力があると私は思うのだ。
個人的に、毎日お客様のお問い合わせというバトルに勝ったり負けたり、喜んだり落ち込んだりしている私は、金魚屋古書店の地下ダンジョン行ってみたい。
そして愛すべき“まんがばか”斯波さんに逆に問い合わせたい。
きっとどんな難問な質問にも即答してくれそうな気がする。
これからどんな漫画がどんな物語を作るのか、一読者として書店員として楽しみにしている。
出版社:小学館 書名:金魚屋古書店 第4巻 著者:芳崎せいむ 定価:590円(税込み)
関連本 金魚屋古書店1~4巻 金魚屋古書店出納帳(新装版)上・下巻
(ジュンク堂書店池袋本店 佐藤多恵子)
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