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以前調べ物で新聞の縮刷版をあたっていると、ある日のスポーツ面でホームランを打ったのか、ホームベース付近でチームメイトとハイタッチしている野球選手が目に入った。
その選手は他の人より頭半分小さく、今は亡き南海ホークスのユニホームを着ていた。
それが門田選手なのは分かったが、王、野村に次ぐホームラン数を放った男、内野フライを打つと照明塔よりも遥か高く舞い上がり、球のゆくえが見えなかった等の逸話を持つ人物だとは、写真を見る限り到底思えなかった。
自分が小さかった頃、門田選手はとても大柄な人だと思っていたので。
昨年、野球殿堂入りされたが、門田氏が他のプロ野球OBよりも冷遇(?)されている様に見えるのは、引退後、監督・コーチに就任されていないのも一つの原因だろう。
そして、甲子園のタイガース戦などで、少しこんにゃく問答みたいな解説を聴いていると、結局は世間に対しての私利私欲に走らない職人だったからだと思う。
それは本書を読んでも明らかな事で、どれだけ打球を飛ばすか、どれだけホームランを打つかという、野球選手としての基本的な欲望に対して忠実な「頑固者」だったのだ。
本書でも多くのページが割かれているが、選手生命を脅かす「30代でのアキレス腱断裂」という困難を乗り越え、山田久志、鈴木啓示、東尾修という好敵手に恵まれ、非力で小柄というハンディを物ともせず光り輝き続けたのも、その欲望があったからこそであろう。
そして、門田氏は「今の選手と自分たちとは明らかに違う」としているが、「それが良いのか悪いのかわからない」と記している。
そんな些細な事より、他と比べることより、彼は「野球人・門田博光」以外の何ものでもないのだ。
本書には氏の数葉の写真が掲載されているが、136ページの後姿に、ファンであるならば痺れない者はいないであろう。
HPによると、病気療養後の氏は現在、講演・少年野球教室等で活動を開始されているという。
さらなる御活躍を祈りたい。
出版社:ベースボ-ル・マガジン社 書名:門田博光の本塁打一閃 著者:門田博光 定価:1,890円(税込み) (大盛堂書店 山本亮)
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