本屋さんへ行こう!

書店員のオススメ読書日記

本文です
前の記事

『つっこみ力』

2007年4月27日

Photo_316 「日本文化に造詣の深い、自称イタリア生まれの30代。現在は千葉県民」

 「イタリアン大学日本文化研究科卒。」

 このなんとも妖しげなプロフィールの持ち主は『反社会学講座』などの著者パオロ・マッツァリーノ氏であります。

 今回ご紹介したいのは、彼の最新作『つっこみ力』(筑摩書房)です。

 最近、やたらと流行っている講演会の新書化、という形をとっておりますが、その講演会が2006年夏に家政法経学院大で行われたと書けば、大抵の方はにんまりしてしまうのではないでしょうか。

 しかし、某ベストセラーと体裁を同じくしたからといって、中身がともなわなくてはこんなに売れるはずはありません。

 では、一体『つっこみ力』とはなんなのか。

 この本の帯に「愛と勇気とお笑いと。」と書いてあるからといって、お笑いのつっこみにしか想像が及ばないようではいけません。(たしかに日本独特の笑いであるボケとツッコミについての記述もありますが…)そんなもったいないことでは、かなり損をしていますよ。

 「つっこみ力」とは、要するに「メディア・リテラシー」という外来語に著者が命名した言葉なのですが、堅苦しい言葉ではメディアリテラシーの概念が伝わらない、と、批判や正しさの吟味よりもおもしろさとわかりさすさに重点を置いたのが「つっこみ力」というわけです。先程の「愛」「勇気」「お笑い」は「つっこみ力」を構成する三つの柱だったのです。

 「愛とは、わかりやすさである」と明言している著者だからこそ、今までわかりにくかった事柄が、具体例を用いながら次々と説明されるのは読んでいてとても痛快です。

 『鈍感力』『社員力』『教育力』などと、最近のベストセラーを見渡すと、なにかと「力」をつけようとする本が目につき、本を選ぶにも迷ってしまいますよね。そんな時にはぜひ『つっこみ力』を。

 皆さん、「つっこみ力」を身に付けて、世の中面白くしましょうね。

書名:つっこみ力
出版社:筑摩書房
著者:パオロ・マッツァリーノ
定価:735円(税込み)

(紀伊國屋書店クレド岡山店 岩瀬桑子)

前の記事

売れ筋の本からマニアックな専門書まで、本のことを知り尽くしている書店員さんがオススメの本を紹介する読書日記。書評だけでなく、時には誰も知らない書店の裏話などが聞けることも!?読書好きな人必見のブログです。

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29