春です。新学期シーズンです。普段静かな当店も、この時期だけは多少ですが活気づきます。
特に辞書たちは、春が来るのを待っていた虫や植物たちのように、いきいきと輝き、店内の主役に躍り出ます。
しかし、近年その「春の主役」の座を狙うライバルが現れました。
「電子辞書」です。
数年前までは紙辞書の足元にも及びませんでした。が、その機能は毎年進化を遂げ、ボディの強化、音声機能の充実はもちろん、今年のモデルでは人気の携帯ゲーム機よろしく、タッチペンを使い検索できるようになったのです。
厚さ約2センチ(閉時)、重さ約280グラムの中に、学習向け辞書・用語集など50冊以上を収録。さらにその検索スピードも相まって「春の主役」を狙うにふさわしい機能を持つようになりました。
一方、紙辞書だって負けてはいません。各出版社が趣向を凝らし、見やすく、調べやすく、いろいろ工夫して新刊や改訂版を続々出しています。
「調べるのが面倒」、「重い」等の声をよく耳にしますが、逆に言えば少し手間でもコツコツと引いた言葉は、印象深く頭に刻まれ、時には調べる途中で思わぬ言葉と出会ったりする時もあります。
また「重さ」は、その辞書に詰まった知識の重さであるのではと思います。
紙と電子、それぞれの特徴を解りやすくご説明し、納得してご購入いただけるよう頑張っている毎日です。 そして、辞書たちがまた一年間の「冬眠」に入る頃、町には初夏が訪れます。
(安斉書店 安斉宏恭)
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