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「シナモン」だけど「シナモン」じゃない!サンリオのあれですね、と素通りしてしまってはいけません。違うのです。あの淡いパステルカラーの、就学前後の女の子に人気の、あの耳の長い犬みたいな白いキャラクター?違うんです。
いや、同じシナモンなのですが、よく見ればサンリオのシナモンより絵本として色が濃い?それに出版社は小学館。そして帯に栗山千明の目力な写真。あれ、どういうターゲットの絵本だっけ?と手に取ってみると……。
そうなんです。絵は、フランス人イラストレーターのマルク・ブタヴァン氏。サンリオのシナモンが、マルク・ブタヴァン氏によってもう一つのシナモンに生まれ変わったのがこの絵本なのです。
翻訳された彼の絵本には、にいるぶっくすの『かばんくんのおしり』や、中公文庫の『いたずらペンギンとむくむくオバケ』があります。どちらもウィットとやさしさのあふれる素敵な絵本です。サンペやデュケノワのような細い線に、フランスらしい鮮やかで洗練されたきれいな色使い。デュボアザンやハレンスレーベンをもう少しイラスト風にしたようなポップな絵。そうこの『シナモンとちいさな木』は「シナモン」だけど「シナモン」じゃない、ひと味違ったオシャレなフランス版シナモンなのです。
でも、オシャレなだけ?それも違います。絵はマルク・ブタヴァン氏で、文はせきちさとさん。このシナモンのトラベルシリーズは三作目なのですが、全巻これほど売れているの、何も帯力だけではないでしょう。今回のテーマは固く言えば環境問題です。内容の深みこそがこの新生シナモンを輝かせています。
この『シナモンと小さな木』の舞台はニューヨーク。パリのカフェ・シナモンの不思議な扉からニューヨークの地下鉄の真っ暗闇の中にやってきてしまったシナモン。手にはたんぽぽの種を持ったままです。地上に出たシナモンは、この街の空にはおひさまがほほえんでいないことに気づきます。空気が汚れているのです。そして「青空をつくる木」を人々に配るメガネくんという男の子に出会います。(赤いメガネがかわいい~)
さて、木は人々にもらってもらえるのでしょうか?そしてメガネくんがそんなことをする訳は…?ニューヨークのタイムズスクエアで、人気ロッカーとシナモンが「イエーイ!」なんていうワクワクの場面も!
書店では、キャラクター絵本コーナーではなく、ベーメルマンス・マルシアーノの『マドレーヌちゃんのメルシーブック』の横に並べてもらえたらステキなフランス・コーナーに。帯のセンスといい(一作目の帯は土屋アンナさん、二作目は冨永愛さんなんですよ!)、企画編集者に脱帽、の一冊です。
(リブロ池袋本店 山井洋子)
出版社:小学館 書名:シナモンとちいさな木 著者:せきちさと イラスト:マルク・ブタヴァン 定価:1,260円(税込み)
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