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ついに出ました!全国のシゲラーが待ちに待った重松清の渾身の最新&最高傑作!舞台は、北海道。かって炭鉱であった町で育った仲の良い幼馴染の四人、トシ、シュン、ユウ、ミッチョの物語。
ある事故を境にシュンだけが、札幌に転校することになります。いつもくっついてじゃれあっていた頃、名もない丘の上に座り話した、「ここに遊園地を作ろう。」という夢のような約束を思い出にして。大学生になって、東京でシュン、ユウ、ミッチョの三人は偶然にも再会を果たします。
しかし、過去の出来事から立ち直れないシュンの心の傷がミッチョを傷つけ、卒業と同時にまた別々の道を歩いていくことになります。炭鉱の町で起こったであろうさまざまな悲劇は、かつての日本が少しでも豊かになろうと頑張りすぎた結果なのでしょうか?
重松清さんの三年ぶりのこの長編小説は、さらに不運に紡がれた運命に嘆き悲しむ人達に、「本当の赦し」とは何かと教えてくれるような気がしました。赦されたい人達がいるということ、そしてその人達を憎み恨んだところで、運命は変わらず、ただ自分で自分を憎しみから解き放てなければ、人は孤独を抱えて、どうしようもない寂しさと哀しみの中で生きていかなければならなくなってしまうということ。
時は流れ、40を目前にした四人の人生が突然もつれあう糸がほどけるように重なり合います。ある幼児殺人事件をきっかけに4人は再会することになり、事件の被害者の父親とも、かかわりあいを持つようになります。シュンは、もう二度と会わないはずだった幼馴染、帰る予定もなかった故郷に自分の妻と息子を連れてやってきます。トシとミッチョが作った遊園地、四人の夢だった「カシオペアの丘」に。でも、もうその時には、シュンの体は不治の病に冒され、残り少ない最後の時を家族と友人と過ごす事になります。
重松作品のすごいところは何と言っても、小さな生活描写が心憎いまでも温かな目で綴られて、特にお父さんであるシュンと息子の小学4年生の哲生君の会話が“痛い”ほど可愛くて、息子ってこんなに可愛くて可愛くてしようがないものなのだろうか?と子供のいない私が「泣かないぞ」と構えていても、いつのまにか泣いてしまっているのです。
もう一度読みかえす時も、「もう泣かないだろう」と思っていたのに、やはり泣いてしまいました。幼馴染、昔の恋、大好きな人の過去、親子、夫婦、息子、兄弟、家族、死。これだけ、「泣かせのオンパレード」なのに、クサくなくて純粋に泣けます。
大人だって、本当はたくさんたくさん泣きたい事があるのかもしれません。故郷や想い出やいろいろなことを振り返って思いっきり泣いてみましょう。わんわん泣きたくなったら、重松清さんの「カシオペアの丘で」を読んでみてください。きっと涙のあとの見上げた夜空に(カシオペア座が出ているとなおいい)“生きる喜び”が見えてくると思います。
出版社:講談社 書名:カシオペアの丘で 著者:重松清 定価:上下 各1,575円(税込み)
(有隣堂厚木店 佐伯敦子)
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