「決定的瞬間」で知られる写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン。彼の写真は今でも人々を魅了してやまない。そんな偉大な写真家の思想や背景を、本書では垣間見ることができる。
本書を読んで最初に感じたことは、その「誠実さ」だった。写真を見たときも感じたが、文章からはそれがありありと伝わってきた。とにかく書かれた言葉と彼自身の想いが見事に一致しているのだ。そこには一切の偽りも脚色もない。あるのはただ、事実を伝えたいという想いだけ。
きっとその「誠実さ」が「決定的瞬間」の秘訣なのかもしれない。「何よりもつねに被写体と自分自身を尊重して撮影すること」彼自身の言葉だ。読後、その豊かな人間性にますます魅了されてしまった。
おそらく本書は、写真に興味のない方が読まれても、大いに楽しめるものだろう。ぜひ一度手に取ってみてはどうだろうか。
(リブロ金沢店 乙丸唯)
出版社:岩波書店書名:こころの眼著者:アンリ・カルティエ=ブレッソン定価:1,890円(税込み)
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