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0708朝日健太郎さん <プロビーチバレーボール選手>
あさひ・けんたろう=元バレーボール全日本男子代表の大型アタッカー。2002年にビーチバレーに転向。05年にはジャパンツアー年間優勝を果たす。現在、オリンピックへ最も近いビーチバレー選手として注目されている。

 
 久しぶりに科学の世界を垣間見ることができたかな。幼少のころは好きな、そして得意でもある教科だった科学。ここ数年、触れることも感じることもなかった領域だったが、書店でこの表題と帯のコメントを見て、興味を引かれて手に取った1冊。

 本書「生物と無生物のあいだ」。え? いったい何のこと? と思わず一言。しかし著者はそれを生命に置き換え、一行で説明してくれました。「それは自己複製を行うシステム」。なるほど……、なんとなく分かるような分からないような……。

 しかしすぐさま追い討ちをかけるように、「生命は動的な平衡状態にある」と定義してくる。そうして私の頭の中が散らかり始める。これが本書の導入なのだが、ここから一気に広がりを見せ、著者の歩みと科学の歴史が、非常に分かりやすく物語のように進んでいく。

 最初の舞台はニューヨーク、ロックフェラー大学。そこで著者の研究がスタートしていくのだが、同研究所では昔、あの野口英世が在籍した足跡が見える。そして本書は何度も表題を忘れさせる。ストーリーが多角的で、科学の世界をとても強くイメージさせてくれる。しかし一つ一つの内容は複雑かつ巧妙。その絡み合った糸が少しずつ解けていく。

 DNA発見によって、自己複製のシステムが解明され、そしてPCRマシンの発明によってDNA研究に革命がもたらされ、生命追求が加速していく。そこで一つ確固たる定義として、生命の秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。つまり、「生命とは動的平衡にある流れである」。

 私は結局のところ、結論をはっきりとは認識でなかった。生物と無生物とのあいだとは、何度自問しても、答えは「?」である。しかしヒトは生物と無生物を瞬時に見分けることができる。それは生命に秩序が存在するから。

 私なりの解明はまだここまで、それでもなお興味は続く。しかしこれが科学なんだと、一蹴する自分がまた面白い。著者福岡伸一氏の導きに感謝したい。

Photo_3出版社:講談社
書名:生物と無生物のあいだ
著者:福岡伸一
定価:777円(税込み)

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