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書店員のオススメ読書日記

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Photo_2 「サッカーはやっぱり海外だよね」「日本代表は好きだけど、Jリーグには興味がないの」「ワールドカップの時だけファンなの」などという言葉を聞くことがよくある。

 確かにそういう楽しみもある。けれど、サッカーの楽しみなんて、そんな大きなものじゃなくていい。ちょっと目をやれば、仕事帰りにサッカーをする人がいる。空いたグラウンドと、ボールがあれば成立するコミュニケーション。

 自分の街を誇りたい、子どもたちに未来をつくりたい、と、地域の活性化のためにJを目指してクラブをつくる人々。そんな人々が、Jリーグからみると4番目の「地域リーグ」にはたくさんいる。

 その地域性・県民性から、サッカーがどう浸透し、発展していくか。地域と中央との格差が一段と顕著になったと言われる時代を通して、「わが町のクラブ」が、それこそ文字通り「命がけで」Jを目指す姿をこの本で宇都宮氏は描き出す。

 チームごとに事情は違えど、サッカーを愛する気持ちは、関係者も選手もサポーターも同じ。常に光の当たるJではなく、影になりがちな地域リーグにこそ、サッカーの面白さは一番あらわれる。

 宇都宮氏の筆力は、故・米原万里も絶賛したほど。サッカーに興味がなくとも、ぜひ手にとって読んでいただきたい。ドキュメンタリー番組12本分のドラマが詰まっている。

 地域から中央への下克上の物語をこれから紡いでいくのは、仕事帰りにフットサルをする同僚、休日に草サッカーをする後輩、そしてサッカーボールを大事に抱えて走っていく子どもたちである。

(リブロ別府店 祐保博美)

出版社:東邦出版
書名:股旅フットボール
著者:宇都宮徹壱
定価:1,500円(税込み)

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