「ジャイアントキリング」-いわゆる、大物食いのことである。主にサッカーでよく用いられる言葉を題名にしたこのコミックは、サッカー漫画では異例の、主人公が監督。
親会社を持たないゆえに資金難のチームは、お金のあるクラブに選手を引き抜かれ続ける。クラブはJ2に落ち、残った選手は試合に負けることに耐え、スタジアムを去るサポーターも増えてくる。
やっとJ1に戻ったものの、フロントの補強もうまくいかず、依然として苦しい状況の中で、呼ばれたのが主人公の監督である。自信を失っている選手たち。誇りを見失い、自分のすべきことに迷いがある。
サポーターも、負け続けるチームに失望し、気持ちが離れていく。監督が新しくなったからって、全部が解決するわけがないのは、もちろんである。しかし、この監督は違う。
限りある資金や選手を、どう活かし、どの戦術をたてるかを練り、しおれた心に一番大切なもの「希望」を、全員が持ち、まとまり始める。華やかな代表ではなく、自分達の等身大の姿として、町の誇りとしてクラブがあるのだ、と。自分達のクラブだ、と。
選手だけでなく、フロントやサポーター目線でも描き出す内容は、リアルそのもの。サッカー好きじゃない人にも好評のこのコミック、サッカー好きなら、あちこちでうなずき、共感し、鳥肌が立つはず。スタジアムには、我々を熱狂させる、何かがあるのです。
(リブロ別府店 祐保博美)
出版社:講談社書名:GIANT KILLING 6著者:綱本将也・作、ツジトモ・画定価:570円(定価)
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