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書店員のオススメ読書日記

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4444_2 本は高い。

 それは日々お買い上げいただいているお客様のみならず、それを販売している我々書店員にとってもまったく緒同じ認識です。特に単行本(上下巻でさらに倍!)とかになると財布を確認しては、ああ、来月。ああ、文庫待とう(最近文庫化早いし)。という悲しい思いが私の頭もよぎります。

 その一方で、高価で分厚い単行本だからこそ買いたくなる・保有したくなる、という本好きならではの愛も当然のごとくあるのですけれども。

 そんな中、今回はリーズナブルな文庫本で発売された海外小説(上下巻)を取り上げさせてもらいたいと思います。

 タイトルは「チャイルド44」。トム・ロブ・スミスという英国作家の処女作、世界数カ国でベストセラー!すでに映画化も決定!と、良く耳にするキーワードが多数踊っていますが、これが実際すこぶる面白いエンタメ小説でした。巷での評判も良いようです。

 舞台はスターリン体制下のソ連。惨殺された少年の遺体が発見されますが、理想主義を掲げるこの国では、そもそも「殺人など起こるわけがなく」、事件は事故として片付けられます。それを冒頭に、被害者の家族たちへ宣告するのが、本作の主人公であり国家保安省捜査官のレオ・デミドフ。

 自己が仕える政府を半ば盲目的に信奉するレオでしたが、ある出来事をきっかけに、祖国への裏切りとみなされる行為を犯しながらも姿なき連続殺人鬼を追ってゆきます。果たしてレオは犯人を突き止めることが出来るのか?仮に見つけ出すことが出来たとして、その結果彼が出来うることとは?そしてその殺人鬼の正体とは?

 こうしたサスペンス小説に必須である二転三転するストーリー展開、手に汗握るクライマックス描写などなど十二分に楽しませてくれる内容であると同時に、監視社会に置かれた人々の想像を絶する日常が描かれている点もまた通常のミステリにはない読みどころのひとつと言えるでしょう。

(ブックファーストなんばウォーク店 井辻吉博)
 
出版社:新潮社
書名:『チャイルド44(上下巻)』
著者:トム・ロブ・スミス/田口俊樹(訳)
定価:上・740円 下・700円(税込み)

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