私が道尾秀介さんの作品を紹介するのは今回で3度目になる。
なぜか彼(失礼な呼び方かもしれませんが)の作品に自然と手が伸びてしまう。
「初めて読んだ時に面白かったから」というのも理由のひとつだが、決め手となっているのはタイトルだ。タイトルにインパクトがある。だがそれ以上に内容にインパクトがあるのだ。
19歳の蓮と中学生の楓の兄妹と中学生の辰也と小学生の圭介の兄弟。この2組の兄弟(兄妹)はとても境遇が似ていた。共に親を亡くし,血のつながっていない親と暮らしている。
4人の人生を雨が狂わすストーリー。うまくいかない「家族」が崩れていく様が描かれている。何かが起こる時、起こす時、必ず降っている雨・・・。
楓を思う蓮、辰也を思う圭介。蓮が起こす行動、辰也が起こす行動。
蓮と楓の手から落ちた1枚のスカーフを手にした辰也。血に染まったそのスカーフが楓と辰也と圭介の運命を握る。
4人を影から操る1人の人物。誤解と嘘が入り混じる。
話が進むにつれ今まで読んできた文章,フレーズが頭の中をよぎる。
読み出したら止まらない。どんどん先を読みたくなる作品だ。最後まで読んでしまうのが寂しい気持ちになるくらいに・・・。
皆さんにも是非「道尾ワールド」を堪能していただきたい。
出版社:新潮社書 名:龍神の雨著 者:道尾秀介価 格:1680円(税込)
(春日部市 紅雲堂書店 石川貴雄)
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