出先で落ち着いて本を読みたくなると喫茶店に入ってしまいます。様々な店を見ているうちに、味や価格のみならず雰囲気やらサービスまでの差異が気になるようになりました。そこでこの本
ドトールやスタバの経営論、カフェ開業の実務本などはこれまでにもありましたが、カフェという業態の成り立ちと歴史、現状について一般向けに論じたものはあまり記憶にありません。煎じ詰めれば、カフェの歴史はまずコーヒーがあって、更にどこに付加価値を見出すかの歴史と言えそうです。
店の内装に凝って空間づくりに努める。 コーヒーと出すケーキの味で勝負する。
近年は「マンガ」「ネコ」「メイド」が付加されたりしてきますが、ここまでくるとどちらが本体かわからなくなります。喫茶業界はその付加の可能性の幅が広いだけに、さまざまな試行錯誤を繰り返し、差別化し、生き残りのために戦っている。従来は当然であった喫煙についても、時代の変化により柔軟に対応し、明確なスタンスも求められている。
普段何気なくコーヒーを啜っているこの空間が、先人の努力の結晶であることに思いを馳せ感謝。同時に、自分はここまで試行錯誤できているかという反省。そしていつかカフェでも開けたら、と夢想していた自分の認識の甘さを、まとめて思い知った一冊です。
出版社:日本経済新聞出版社書名:日本カフェ興亡記著者:高井尚之定価:1,680円(税込み)
(紀伊國屋書店北千住マルイ店 岡田航太郎)
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