人間の思い込みというものは不思議なものだ。自分が一度「そうだ」と思ってしまったら、それが「真実」だと思ってしまう。「図地反転」という言葉をご存知だろうか?この言葉を知らなくても「ルビンの盃」と聞くと分かる人はいらっしゃるかも知れません。要は思い込みです。
誰にでも思い込みはあるはずです。しかしその思い込みが1人の人間の人生を変えてしまうとしたら決して許される事ではありません。
少し前にも無実の罪で逮捕され長い間収監させられてしまった方がいらっしゃいました。今回のこの「図地反転」に出てくる主人公望月悟もその思い込みで再び犯罪者と疑われてしまう。
十数年前に女児殺害事件の犯人として逮捕され15年間服役し罪をつぐなった望月。出所後にアパートを借り仕事を始めた矢先に起きた女児殺害事件。周りは真っ先に彼に疑いをかけた。
捜査を開始した警察、目撃者の証言により浮上した容疑者は彼ではなかった。
しかしこの事件の容疑者は否認を続けた。かつての望月のように・・・。
物的証拠など何もない事件で唯一の手がかりになるのが目撃者の証言。警察は目撃者の証言を元に取調べを続け「犯人」を特定する。
しかし証言をした目撃者が図地反転をしていたら・・・。それに気が付いた時に警察はどのように対応するのか?果たして警察は真犯人を捕まえることが出来るのだろうか?
ニュースなどの報道で見ると警察の取調べはかなり厳しいものである。
罪を犯した人間に対してなら当然なのかもしれないが,無実の人間が受けたとしたら拷問に近いのかもしれない。こういった事は今後フィクションの世界だけであってほしい。
出版社:講談社書 名:図地反転著 者:曽根圭介価 格:1680円(税込)
(春日部市 紅雲堂書店 石川貴雄)
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