家族や、社会になじめない不器用なお父さん。リストラ、離婚の後、人生の終わりまで一匹の犬と共に、生活する日々を描いたコミック本。涙なくして読みきれない。
どこにでもいるような、真面目で、人の良いお父さん。ただ、家族や社会の変化に対応することを面倒くさがったり、自分を変えることが苦手だったりするだけの人。その人がなぜこんな死に方をしなくてはならないのか?
最初は気の毒に思ったが、考えようによっては最後まで計算やかけひきなしでまっすぐに慕ってくれる愛犬ハッピーと、気ままなドライブができ、反対にとても幸せだったのかもしれない。
まるで現代版忠犬ハチ公のようなハッピー。今の世知がらいご時世にあったような内容の本。お父さんは家族や財産を失ったけど、犬の無償の愛と絆にどんなに心休まっただろう。ハッピーだけがお父さんの気持ちをわかっていた。
後半は「日輪草」。
遺体として発見されたお父さんとハッピーの事後処理を担当することになったケースワーカーの奥津が出てくる。墓守をするお靴の中にも、犬から与えられた愛情がくすぶっていて、そこから小さな灯がともり、お墓は夏中ひまわりにかこまれている。
装丁は黄色いひまわりの中に白くて目がクリクリしているハッピーが描かれていて、あまりのかわいさに買ってしまいたくなる。 タイトルの「星守る犬」というのは犬が星を物欲しげに見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを表す。人はみな生きてゆくかぎり「星守る犬」なのだ。
出版社:双葉社書 名:星守る犬著 者:村上たかし価 格:800円(税込) (ブックスタマ 加藤美子)
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