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書店員のオススメ読書日記

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4891981318  「こんな辛口のコメントをしてもいいの??」と、我々視聴者の方がドキドキしてしまう。厳しい事を言ってのけ、ユーモアにも溢れ、視聴者に分かりやすい言葉でズバリとテレビ解説してくれる、千代の富士の師匠で、自身も元横綱の北の富士勝昭さん。

 その北の富士さんの、ここ数年悪い面で注目される事も多かった相撲界の現状を分析し、お客様に喜んでもらえる相撲を取り戻すにはどうすればいいのかを提言している一冊。

 ちまたでは草食系男子と言われておりますが、勝負事の世界・相撲界では“勝つ事”に対してあまり積極的でない力士が増えてきていること、取り組みの相手や周りの人々に払うべき敬意・礼儀の精神や研究・向学精神に欠ける力士も増えてきていること、弟子達の面倒もあまり見ず、そこそこに自室にこもってしまう親方があったりと、相撲界の伝統・礼儀・順序などが次第に変わっていっている様子を、自身の現役時代に見てきた親方・関取達との思い出をユーモアも交えながら、鋭く分析しています。

 歴代の相撲協会理事長が中心となって断行してきた様々な改革を例に出し、時代とともに変わっていくことの必要性を認識しつつ、また根底にあるものとして変えてはならないものも丁寧に解説され、より良く変わって行く為の提言が次々になされます。

 横綱にまでなり、現在に至るまでの50年間の土俵に関わる生活の中で見聞き、経験した言葉には迫力があり、一方で朝青龍に負けず劣らず、現役時代は土俵以外でも自分自身お騒がせであった横綱だけに、一方通行でない広い視野を持って筆を進めてくれるので、論にも広がりがあり、スイスイ読めます。

 お相撲さんが日本国民の中から抽出されて出てきている為か、相撲界で起きている事が案外日本社会全体で起きているいくつかの事にも似通っているようで、自分の周りを見直してみるガイドにもなりそうです。

出版社:日之出出版
書名:緊褌一番 土俵愛 国技・大相撲復興のための四十八手
著者:北の富士勝昭
価格:1,500円(税込)

(羽田書店 安武祥吾)

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