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32384360_2    学生の時、年号が覚えられず歴史が苦手だった。

 時代小説は登場人物の名前がややこしくてこんがらがるから読まず嫌いだった。

 そんな私の心をがっちり掴んでその世界に引き込んでくれた長編時代小説である。

 
 軍配者とは、簡単に言うと「戦の全般に関して君主に助言する専門家」戦争における参謀の事。

 主人公の小太郎少年は韮山さま(後の北条早雲)に才能を見出され軍配者になるため足利学校に入学する。

 将来は敵となる人物達と出会い、机を並べ勉学に励み成長していく。

 やがて韮山さまが他界すると小太郎も戦に参加しその才覚を発揮する。
 
 
 韮山さまとの出会いや韮山さまの小太郎への愛情あふれる言葉に感動し足利学校に送り出す場面では不覚にも泣きそうになってしまった。

 戦国時代小説でありながら随所に心温まるシーンが出てくるのもこの作品の魅力なのであろう。

 さて、いよいよ高輪の戦いでは映画のワンシーンを見るように臨場感溢れる中で兵達が動き回り読み進みながらワクワクさせてくれた。

 この時代の軍配者が考えた戦方も面白くとにかく先が気になってしかたがなかった。
 
 軍配者として成長した「風魔小太郎」のさらなる活躍に期待したい。是非とも続編が読みたいものである。

出版社:中央公論新社
書名:『早雲の軍配者』
著者:富樫倫太郎
定価:1,785円(税込)

(有隣堂川崎BE店 大嶋慶子)

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