本を読んで体が震えたのは久しぶりのことだ。
面白いというより、ハラハラ、ドキドキ、そしてゾクゾクするという表現が合っている気がする。「闇に囚われし者」と「闇に怯えし者」の2つのストーリー。
「闇に囚われし者」は大罪を犯し狭い部屋に監禁された脱走兵。記憶を無くし自分が置かれた状況を理解できずにいた。この脱走兵の前に現れた1人の憲兵。憲兵は彼の記憶呼び起こすために凄まじい拷問を繰り返した。1つの拷問を受ける毎に1つずつ記憶を取り戻し、なぜ自分が囚われの身になったのかを知る。そして全てを知った時、彼の体はもう人間のものではなくなっていた。
一方、「闇に怯えし者」は高校の1つ先輩の崎山と母の2人に居場所を奪われてしまった。全てにおいてやる気を無くしていた彼は高校も辞めぶらぶらしていた。小学校から中の良かった2人の友人とも少しずつ距離が出始め、さらに孤独になっていってしまう。
先輩と母が結婚すると思っていた矢先に突然「事件」が起きる。事件を追うとそこには親友の姿が・・・。親友が犯したこと、母の秘密、そして明らかになった自らの出生の秘密。謎に包まれていた親友の家の真実。
「闇に囚われし者」と「闇に怯えし者」が交わりあった瞬間・・・。もう言葉では表現できません。
この物語は「囚われし者」と「怯えし者」の話が交互に書かれています。私はあえて「囚われし者」から読みました。そうしたことで面白さが増しました。皆さんにも背筋がゾクゾクする感覚を味わって欲しいです。 出版社:角川書店書 名:爛れた闇の帝国著 者:飴村行価 格:1470円(税込)
(春日部市 紅雲堂書店 石川貴雄)
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