河村常雄の劇場見聞録

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●生で思いを伝える
Photo  毎日の発声訓練はまず、家人がまだ寝ているは未明の台所でコーヒーを入れながら。これはあまり大きな声は出せない。本番は夜、入浴中に濡れたタオルを顔に当てて。実は、人間国宝の女流義太夫・竹本駒之助さんに聞いた稽古方法を思い出したのだ。結構大きな声を出しても外に漏れないようだ。ただし、裏声は「ダメよー」。タオルを突き抜けているらしい。
 11月7日、CSテレビ・日テレG+「伝統NOW!」の撮影で狂言の若手ホープ大蔵基誠さんに話を聞いた。発声法が教室で習ったのと似ているので驚いた。放送は来年2月です。

 4回目の教室は11月15日。今回も磯村純講師でシアターゲームが進む。
 6人の受講生を出身県や携帯のメーカー、番号の末尾の数字などで分ける。これは、最初に口を滑らかにさせ、互いを打ち溶けさせるためとか。
そして、互いに均等に間隔を取る。その後、その間隔を維持しながら、それぞれバラバラに動く。舞台での距離感を維持する訓練。
 次に椅子取りゲーム(?)真中に鬼。目で合図し合った2人が見事相手の椅子に座れれば得点。スキを伺いつつ合図。なかなか難しい。舞台でセリフのキャッチボールがうまくいくように相手を見つめるアイコンタクトだ。相手を見つめるなんて。団塊の筆者には難問。これはシャイな日本人には苦手なことである。でもやらねば。
 車座になり顔を伏せて目をしっかり閉じ、真中に宝物。講師がそっと頭をさわって指名した犯人と共犯者を裁判で見つける。弁論の中で犯人・共犯者を探すとともに、人の動きを気配で察する能力もつける裁判ゲーム。これも一筋縄ではいかない。
 今回のクライマックスは、背を向けた人たちの中の特定に人に呼びかけ、振り向けさせるゲーム。もちろん、名前その他、個人を特定できる言葉はご法度である。相手に思いを伝える、すなわち観客に感情を伝える。その難しさの最たるものだ。何しろ相手は背を向けている。しかし、何とかなるものだ。
 今回のテーマは、無機質なIT化が進む中、生で他者に思いを伝えることこそ演劇の醍醐味、ということか。
 終了後、初の懇親会。生の演出家を囲んで、大いに盛り上がる。文化センターとは関係のない集まりだが全員参加、貴重な“座学”の1時間となった。またお願いします。
(写真は、磯村講師と筆者=左)
       ◆
「芝居体験・演劇教室」
日時:第1・3土曜午後6時30分~8時
受講料:6か月12回31,500円(途中入会歓迎、その場合残り回数分のみ払う)
    ほかに入会金5,250円(65歳以上無料)と設備維持費1,638円(12回の場合)が必要です。

読売・日本テレビ文化センター新宿
(新宿コマ劇場の先にある歌舞伎町交番に隣接)
〒160-0012新宿区歌舞伎町2-44-1ハイジア16階
℡03-5285-8880
        

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 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

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