河村常雄の劇場見聞録

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●いつも新しい振りを求めて

01457 <聞>牧阿佐美・新国立劇場舞踊芸術監督インタビューつづき。

――バレエを職業にしようと思ったのはいつごろですか。

 「親がバレエダンサーなので、子供のころから私もバレエをやらなくてはいけないような雰囲気になっていました。ただ、10代の後半でしたか、何でバレエなんか習わせたんだ、とごねたこともあります。なんで私は背が低いのと母に文句を言ったりしました。母が私の踊りを直すと、小さいからできない、なんて言ってたりもしましたね。それでもバレエをやめようとは思わなかった。母があまりにも偉かったので、ちょっと意地悪しようと思ったんですね。完璧な人ですから困らせるにはこれしかなかった。反抗期ですか。私がそう言っても、母は知らん顔していました。戦後、母と一緒に住み始めると周囲にきれいな方がいっぱいいて、癪に障ったということもあったかもしれません。そう言いながらも私はバレエをやめようとは少しも思わず、逆にむしろ母が心配してくれて、あなたにバレエは大変よ。音楽の方に進んだらと勧めてくれたこともあります。体が小さいからとは言わないで。父が音楽の方に携わっていましたから。でも、踊ることの方が好きで、やめようとは少しも思わなかったですね」

1399s_1 ――悩みながらバレエの道を歩んだのですね。これからバレエを始めようという方々に大変励みになることと思います。小柄であることを克服するためには何か工夫をしましたか。

 「新しい踊りを求めました。映画『赤い靴』などが来ると、何回も見ました。家で習っていない振りを仕入れてくるんです。それを稽古場で踊ると皆に真似されて、また探しにいく。そういう時代がありました。そのころは、基礎的なバーレッスンはしていましたが、バーを離れたレッスンの幅は狭かったと思います。外国では当たり前のことも、日本ではまだ知られていなかった。また新型が出たねと評価されたこともありますが、映画から盗ってきただけなんです。ダンス映画でもただ美しいと見るだけでなく、見ればそこから何かを得たかった。踊りだけでなく、女優さんの歩き方や所作もじっくり見ました。20歳前後のことです」

(写真は牧阿佐美監督、新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」=撮影・瀬戸秀美)=つづく

          ◆

 読売・日本テレ文化センターでは2010年1月22日、牧阿佐美・新国立劇場舞踊芸術監督をゲスト講師に迎え観劇入門講座を開きます。

●これからの観劇入門講座の予定

<国立劇場歌舞伎公演>

日時:1016日(金)午後1時

会場:東京・三宅坂、国立劇場大劇場

演目:「京乱噂鉤爪」

講師:市川 染五郎

受講料:会員9,200円、一般9,700円(1等S席観劇料含む)

 <国立劇場歌舞伎公演>

日時:1118日(水)正午

会場:東京・三宅坂、国立劇場大劇場

演目:「外郎売」「傾城反魂香」「大津絵道成寺」

講師:中村 l翫雀

受講料:会員9,200円、一般9,700円(1等S席観劇料含む)

<新国立劇場バレエ公演>

日時:1225日(金)午後2時

会場:東京・初台、新国立劇場

演目:「くるみ割り人形」

講師:元島 美和(金平糖の精役)

受講料:10,500円(会員)、11,000円(一般)(S席観劇料含む、4歳以上、中学生以下の割引有)

<新国立劇場バレエ公演>

日時:2010年1月22日(金)午後1時

会場:東京・初台、新国立劇場

演目:「白鳥の湖」

講師:牧阿佐美芸術監督(文化功労者)

受講料:10,500円(会員)、11,000円(一般)(S席観劇料含む、4歳以上、中学生以下の割引有)

 問い合わせは、センター本部(℡0336424301

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 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

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