河村常雄の劇場見聞録

本文です
前の記事

<見>100年前の米国マスコミ界で、ハシムラ東郷なるコラムニストがもてはやされた。
米国人家庭で雑役をしながた勉強する日本人の学僕が、日本人の視点で米国社会を批判、好評だったという。
 実は、このコラムは米国人が日本人に仮託して書いたものだ。そういえば、戦後の日本にもイザヤ・ベンダサンなる文明評論家がいた。
 作・演出の坂手洋二は宇沢美子著「ハシムラ東郷」に着想を得て、実在しない東郷を何人も登場させ、ドキュメンタリータッチで描いた。
 虚実をリズミカルに交差させる、まさに演劇的な作劇。
 軽快なテンポの中で、米国社会いや人間社会の欺瞞、傲慢、偏見、差別をあぶり出している。作者の佳作のひとつに数えられよう。
 出演は、田岡美也子、平栗あつみ、鴨川てんし、ら。
21日所見。
30日まで座・高円寺。

 

前の記事

 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29