河村常雄の劇場見聞録

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2009年11月17日

新国立劇場「ヘンリー六世」第二部
<見>第一部、第三部を見たあとで第二部を見たが、見ごたえあることには変わりはなかった。今年のベスト3に入る作品だろう。
 主役級で使った俳優を別の部では脇で活躍させ、俳優の違った面を引き出す。38人の俳優を3部9時間の長丁場で巧みに使いこなした演出の鵜山仁を評価する。
 英国の名門ヨーク家とランカスター家の復讐の連鎖は、源平時代を扱った義太夫狂言「義経千本桜」の「知盛」を思い出させた。洋の東西にかかわらず、人間の悲しい愚行は今も続く。
 人間の仮面の裏に潜む愛憎、権力欲、闘争心を浮き彫りにするこの作品は、作者が30歳のころに書かれたという。三島由紀夫が名作「鹿鳴館」を発表したのも30歳であることもなぜか思い出した。天才は若くして光る。
どの俳優もせりふが上手に聞えた。不思議である。まさにシェークスピアの力。小田島雄志訳の功績でもある。
12日所見。

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 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

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