河村常雄の劇場見聞録

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<見>若手が大役に挑む修練道場の浅草歌舞伎。今年も若々しい舞台を見せている。亀治郎、愛之助に勘太郎、七之助が続くような布陣だが、亀治郎と愛之助はこの座組みで5年以上になろうか。諸先輩がそうであったように、そろそろ浅草卒業の時期が近付いている。それほどしっかりした出来だ。
 中でも亀治郎の「悪太郎」がいい。酔っ払いの乱暴者の悪太郎は、酔って寝ているうちに頭を丸められ僧侶にされてしまう。曾祖父の猿翁が大正13年に初演した岡村柿紅の狂言舞踊で久々の上演。
 女形を中心に活躍している亀治郎が、髭面の乱暴者を野太い声で愛嬌たっぷりに演じている。これまでの踊りのうまさは十分生かされ、ダンスのように踊るラストは軽快で楽しい。父親の段四朗だけでなく、伯父・猿之助さらにビデオに見る猿翁も彷彿させる。
 この公演で「草摺引」の荒事の五郎、「御浜御殿」の血気盛んな助右衛門と立役ばかり演じている。転換期を迎えているのかも知れない。
3日所見。
――26日まで浅草公会堂。

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 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

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