河村常雄の劇場見聞録

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Photo  よみうりカルチャーは2月14日、東京・国立劇場小劇場の文楽公演第一部「彦山権現誓助剣」で三味線の鶴澤燕三さんをゲスト講師に迎え、観劇入門講座を開きます。講座を前に燕三さんにインタビューしました。

――今回の作品は剣術師範・吉岡一味斎の娘・お園が許嫁・毛谷村六助の助太刀を得て仇・京極内匠を討つ仇討物、通称「毛谷村」ですね。
 「父の仇を探して流浪しているお園が、手谷村で甥や許嫁の六助と出会い、仇討ちに向かう。一言で言うと痛快時代劇です」
――燕三さんが三味線を弾く切り場は。
「六助が微塵弾正と名前を変えた京極に騙され、剣術の試合に負けてやる。それで微塵弾正の士官が決まり、意気揚々と引き上げていった後から始まります。お園と母親のお幸が六助の家にやってきますが、お園は六助が許嫁であることを初めて知ります。そうすると、最初は六助に斬りかかっていたお園が、これが私の殿かと、かいがいしくかわいらしくなる。その切り替わりが面白いところです。お園も腕の立つ女性ですが、それを軽くあしらう六助は相当すごい使い手であるわけです」
――仇討の場面は普通やりませんが。
 「今回は仇討の場までやります。ここは私は出ません」
――燕三さんが三味線を弾く場の聴かせどころは。
 「オクリが済んでマクラをひとくさりやった後、ウグイスの声を弾きます。それが何ともいえず、いい気分です。これは弾き手の気分がいいのですけれど、お客さんにもそこを楽しんでいただきたい」
――大力のお園が臼を軽々と持ちあげるところなども面白いですね。
 「内容は盛りだくさんでにぎやかですから、見ていて飽きることはないと思います」
――さて、文楽の魅力について聞かせてください。
 「太夫と三味線で義太夫節を演奏して、人形には一体に三人が取りついている、という不自由な演劇ですが。それが故に出来ることもたくさんある。また、人形には生身の人間にはない自由さもある。そこを楽しんでいただきたいと思います」
――ありがとうございました。
(写真は鶴澤燕三)

これからの観劇入門講座
2012年

<国立劇場歌舞伎公演> 
日時:1月12日(木)正午(解説午前11時)
会場:東京・三宅坂、国立劇場
演目:「三人吉三巴白浪」「」
    終演後バックステージツアー
講師:河村 常雄
受講料:会員8,700円、一般9,200円(一等A席代含む)

<国立劇場文楽公演>
日時:2月14日(火)午前10時
会場:東京・三宅坂、国立劇場小劇場
演目:「彦山権現誓助剣」
講師:文楽三味線 鶴澤 燕三
受講料:会員5,700円、一般6,200円(チケット代含む)

<ミュージカル公演>
日時:3月14日午後1時30分
会場:東京・日比谷、日生劇場
演目:「ジキル&ハイド」
講師:俳優・歌手 石丸 幹二
受講料:一般12,000円、会員11,500円(S席代含む) 

問い合わせは、事業本部(℡03・3642・4301)
 

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 <見>歌舞伎や能楽、文楽、邦楽、舞踊、そして新劇、ミュージカルなどあらゆる分野の劇場公演の中から、「面白い!」と思ったものを紹介します。従って、褒め上げる記事ばかりです。 <聞>出来るだけ、出演者やスタッフに「面白い!」わけを聞き、紹介します。

河村 常雄

 1973年入社。水戸支局、整理部(現・編成部)の後、学生時代より歌舞伎に興味を持っていたことから芸能部(現・文化部)に移る。演劇担当、デスクを経て、専門委員。この間、文化庁芸術祭・芸術選奨の演劇部門審査委員、鶴屋南北戯曲賞選考委員などを歴任。現在、読売日本テレビ文化センター勤務。著書に「かぶき立ち見席」(演劇出版社)。

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