東京都目黒区、東京大学生産技術研究所のコンクリート打ちっ放しの研究棟の傍らに、それとは対照的な、木の建物が今年、完成しました。中に入ってみると、一般的な木造の建物とはちょっとなんだか違いますね。そう、柱がないのです。その代わり、長さの違う木材をレンガやブロックのように積み上げられているのです。
同研究所の腰原幹雄准教授らが取り組む研究の一環として、この「くうかん実験棟」は建てられました。 「木造ブロック積層工法」と呼ばれるこの新しい工法は、短い木でも積み重ねていけば大きい建物を造れるというのが特徴。長さがいろいろと違う間伐材も使用することができるので、これまでとは違った価値観で木材を作っていくことができるというのです。 この実験棟の中で腰原先生にお話をお伺いしました。建物の内部は紀州産スギの木の香りで満ちています。「なんだかいいですね、ほっとしますね」と僕が思わず口にすると、「悪くないでしょ。それにですね、小さい窓がいっぱいあって外からも丸見えのような気がするかもしれませんが、意外と外からは中の様子が見えないんですよ。逆に中から外の様子が丸見えなので、結構楽しいんですよ」と腰原先生。「年月が経てば木が変形し、すきま風も少々入ってくるんですが、木ってそういうものですからね。そういうのもいいじゃないですか。でも冬場にここで講義をしてると、”すきま風が寒い”と苦情を言ってくる学生もいたりしますが・・・」と苦笑い。 でも確かにそうですね。木が持つ、このようなすこし”ゆるい”感じこそが、木の良さでもあるんでしょうね。 撮影は後日、天気のいい日の午前中に行ないました。午前中、近くの保育園の子供たちがよく散歩にやってくるというのを腰原先生から聞いたからです。 天井や壁からの四角い木漏れ日の中、子供たちも保育園のスタッフの方々も、のんびり、まったり、心地よさそう。 「うちの会社にもこんな素敵な空間があったらいいのになぁ」 などと考えながら写真をパチパチ撮らせて頂きました。<鉄>
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